2025年の採用を振り返り、2026年の採用戦略をどう描くか

はじめに

年末は、企業にとって一年の活動を振り返り、翌年の戦略を再設計する重要な節目です。  

採用も例外ではありません。

  • 今年の採用はうまくいったのか
  • 求める人材に出会えたのか
  • 応募者とのコミュニケーションは適切だったのか
  • 自社の魅力は正しく伝わっていたのか

こうした問いを丁寧に振り返ることで、来年の採用活動は大きく変わります。

特に2025年は、採用市場が大きく揺れた一年でした。  

人材の流動性が高まり、候補者の情報収集行動はさらに多様化し、企業側には「採用広報力」「ブランド発信力」がこれまで以上に求められました。

本コラムでは、2025年の採用トレンドを振り返りながら、2026年に向けて企業が取り組むべき採用戦略を、採用コミュニケーションの専門家視点で整理します。

キーワードは「選ばれる企業」

求職者の情報収集は“点”から“面”へ

今年は、求職者が企業を知るきっかけが大きく変化しました。

  • 企業HP
  • SNS
  • 社員インタビュー
  • 口コミサイト
  • 動画コンテンツ
  • オウンドメディア

これらが“複合的に”影響し合い、求職者は「総合的な企業像」を見て応募を判断するようになりました。

つまり、採用情報だけを整えても不十分。  

企業の世界観、価値観、働く人のリアル、事業の未来など、ブランド全体の一貫性が問われる時代になったと言えます。

“スキル採用”から“共感採用”へ

スキルマッチはもちろん重要ですが、2025年は「価値観の一致」が採用成功の鍵になりました。

  • どんな未来を目指す会社なのか
  • どんな人が働いているのか
  • どんな文化が根付いているのか

これらが明確である企業ほど、応募者の質が高まり、ミスマッチが減少する傾向が見られました。

採用広報の重要性が急上昇

採用広報はもはや“採用担当者の仕事”ではなく、  

経営・広報・現場が一体となって取り組む経営戦略の一部になりました。

特に以下の3つは、採用成功企業の共通点です。

  • 一貫したメッセージ
  • 社員のリアルな声
  • 企業の“らしさ”を伝えるストーリー

採用広報は「情報発信」ではなく「共感づくり」へと進化しています。

年末に必ずやるべき“採用の棚卸し”5つの視点

年末は、採用活動を客観的に振り返る絶好のタイミングです。  

以下の5つの視点で棚卸しを行うことで、翌年の採用戦略が格段に明確になります。

数字の振り返り(定量)

  • 応募数
  • 書類通過率
  • 面接通過率
  • 内定承諾率
  • 入社後の定着率

数字は嘘をつきません。  

どこにボトルネックがあるのかを冷静に把握することが重要です。

応募者の質(定性)

  • 求める人物像と応募者のギャップ
  • 応募者が魅力を感じたポイント
  • 離脱した理由

応募者の声は、採用改善の宝庫です。

採用コミュニケーションの一貫性

  • HPの採用情報は最新か
  • SNSの発信は企業の価値観と一致しているか
  • 面接官の説明は統一されているか

採用は“企業の顔”。  

一貫性がないと、求職者は不信感を抱きます。

社員の巻き込み度

  • 社員インタビューは更新されているか
  • 現場の協力体制は整っているか
  • 社員が自社を誇れる状態か

採用は「現場の協力」がなければ成功しません。

ブランドの世界観

  • 企業の“らしさ”は言語化されているか
  • その言葉は社内外で共有されているか
  • 採用メッセージはブランドと矛盾していないか

採用はブランドの延長線上にあります。  

ここが整っている企業は、採用力が強い。

2026年採用戦略:企業が取り組むべき5つの重点テーマ

年末の棚卸しを踏まえ、来年の採用戦略は次の5つを軸に設計することをおすすめします。

採用サイトの“世界観設計”を強化する

採用サイトは、求職者が最も長く滞在する場所です。  

だからこそ、以下の要素が重要になります。

  • 企業の価値観が伝わるトップコピー
  • 事業の未来を語るストーリー
  • 働く人のリアルな声
  • 企業の“らしさ”が伝わるデザイン
  • 情報の整理と導線設計

特に2026年は「世界観の一貫性」が採用力を左右します。

採用広報を“継続型”にする

採用広報は、採用がある時だけ行うものではありません。

  • 月1本のコラム
  • SNSでの社員紹介
  • プロジェクトの裏側
  • 経営者の想い

こうした継続的な発信が、企業の魅力をじわじわと浸透させます。

社員のストーリーを資産化する

社員インタビューは、採用広報の最強コンテンツです。

  • なぜこの会社を選んだのか
  • どんな成長をしているのか
  • どんな未来を描いているのか

ストーリーは“企業の魅力そのもの”。  

動画・記事・SNSなど、複数の形で資産化することが重要です。

面接体験の質を高める

求職者は、面接で企業の本質を見ています。

  • 一貫した説明
  • 丁寧なフィードバック
  • 企業の価値観が伝わる対話
  • 応募者を尊重する姿勢

面接体験が良い企業は、内定承諾率が高い傾向があります。

採用と組織開発をつなげる

採用は“人を集める活動”ではなく、  

組織の未来をつくる活動です。

  • 求める人物像の再定義
  • 組織課題の可視化
  • 入社後のオンボーディング
  • 社員の成長支援

採用と組織開発がつながると、企業は強くなります。

おしまい

採用は、単なる人集めではありません。  

企業の未来をつくる、最もクリエイティブで戦略的な活動です。

  • どんな人と働きたいのか
  • どんな未来を描きたいのか
  • どんな文化を育てたいのか

これらを言語化し、発信し、共感してくれる人と出会う。  

その積み重ねが、企業の成長を支えます。

年末は、採用を“戦略”として再設計する絶好のタイミングです。  

2026年の採用が、より豊かで、より企業らしいものになることを願っています。