2025年の採用を振り返り、2026年の採用戦略をどう描くか
はじめに
年末は、企業にとって一年の活動を振り返り、翌年の戦略を再設計する重要な節目です。
採用も例外ではありません。
- 今年の採用はうまくいったのか
- 求める人材に出会えたのか
- 応募者とのコミュニケーションは適切だったのか
- 自社の魅力は正しく伝わっていたのか
こうした問いを丁寧に振り返ることで、来年の採用活動は大きく変わります。
特に2025年は、採用市場が大きく揺れた一年でした。
人材の流動性が高まり、候補者の情報収集行動はさらに多様化し、企業側には「採用広報力」「ブランド発信力」がこれまで以上に求められました。
本コラムでは、2025年の採用トレンドを振り返りながら、2026年に向けて企業が取り組むべき採用戦略を、採用コミュニケーションの専門家視点で整理します。
- 1. はじめに
- 2. キーワードは「選ばれる企業」
- 2.1. 求職者の情報収集は“点”から“面”へ
- 2.2. “スキル採用”から“共感採用”へ
- 2.3. 採用広報の重要性が急上昇
- 3. 年末に必ずやるべき“採用の棚卸し”5つの視点
- 3.1. 数字の振り返り(定量)
- 3.2. 応募者の質(定性)
- 3.3. 採用コミュニケーションの一貫性
- 3.4. 社員の巻き込み度
- 3.5. ブランドの世界観
- 4. 2026年採用戦略:企業が取り組むべき5つの重点テーマ
- 4.1. 採用サイトの“世界観設計”を強化する
- 4.2. 採用広報を“継続型”にする
- 4.3. 社員のストーリーを資産化する
- 4.4. 面接体験の質を高める
- 4.5. 採用と組織開発をつなげる
- 5. おしまい
キーワードは「選ばれる企業」
求職者の情報収集は“点”から“面”へ
今年は、求職者が企業を知るきっかけが大きく変化しました。
- 企業HP
- SNS
- 社員インタビュー
- 口コミサイト
- 動画コンテンツ
- オウンドメディア
これらが“複合的に”影響し合い、求職者は「総合的な企業像」を見て応募を判断するようになりました。
つまり、採用情報だけを整えても不十分。
企業の世界観、価値観、働く人のリアル、事業の未来など、ブランド全体の一貫性が問われる時代になったと言えます。
“スキル採用”から“共感採用”へ
スキルマッチはもちろん重要ですが、2025年は「価値観の一致」が採用成功の鍵になりました。
- どんな未来を目指す会社なのか
- どんな人が働いているのか
- どんな文化が根付いているのか
これらが明確である企業ほど、応募者の質が高まり、ミスマッチが減少する傾向が見られました。
採用広報の重要性が急上昇
採用広報はもはや“採用担当者の仕事”ではなく、
経営・広報・現場が一体となって取り組む経営戦略の一部になりました。
特に以下の3つは、採用成功企業の共通点です。
- 一貫したメッセージ
- 社員のリアルな声
- 企業の“らしさ”を伝えるストーリー
採用広報は「情報発信」ではなく「共感づくり」へと進化しています。
年末に必ずやるべき“採用の棚卸し”5つの視点
年末は、採用活動を客観的に振り返る絶好のタイミングです。
以下の5つの視点で棚卸しを行うことで、翌年の採用戦略が格段に明確になります。
数字の振り返り(定量)
- 応募数
- 書類通過率
- 面接通過率
- 内定承諾率
- 入社後の定着率
数字は嘘をつきません。
どこにボトルネックがあるのかを冷静に把握することが重要です。
応募者の質(定性)
- 求める人物像と応募者のギャップ
- 応募者が魅力を感じたポイント
- 離脱した理由
応募者の声は、採用改善の宝庫です。
採用コミュニケーションの一貫性
- HPの採用情報は最新か
- SNSの発信は企業の価値観と一致しているか
- 面接官の説明は統一されているか
採用は“企業の顔”。
一貫性がないと、求職者は不信感を抱きます。
社員の巻き込み度
- 社員インタビューは更新されているか
- 現場の協力体制は整っているか
- 社員が自社を誇れる状態か
採用は「現場の協力」がなければ成功しません。
ブランドの世界観
- 企業の“らしさ”は言語化されているか
- その言葉は社内外で共有されているか
- 採用メッセージはブランドと矛盾していないか
採用はブランドの延長線上にあります。
ここが整っている企業は、採用力が強い。
2026年採用戦略:企業が取り組むべき5つの重点テーマ
年末の棚卸しを踏まえ、来年の採用戦略は次の5つを軸に設計することをおすすめします。
採用サイトの“世界観設計”を強化する
採用サイトは、求職者が最も長く滞在する場所です。
だからこそ、以下の要素が重要になります。
- 企業の価値観が伝わるトップコピー
- 事業の未来を語るストーリー
- 働く人のリアルな声
- 企業の“らしさ”が伝わるデザイン
- 情報の整理と導線設計
特に2026年は「世界観の一貫性」が採用力を左右します。
採用広報を“継続型”にする
採用広報は、採用がある時だけ行うものではありません。
- 月1本のコラム
- SNSでの社員紹介
- プロジェクトの裏側
- 経営者の想い
こうした継続的な発信が、企業の魅力をじわじわと浸透させます。
社員のストーリーを資産化する
社員インタビューは、採用広報の最強コンテンツです。
- なぜこの会社を選んだのか
- どんな成長をしているのか
- どんな未来を描いているのか
ストーリーは“企業の魅力そのもの”。
動画・記事・SNSなど、複数の形で資産化することが重要です。
面接体験の質を高める
求職者は、面接で企業の本質を見ています。
- 一貫した説明
- 丁寧なフィードバック
- 企業の価値観が伝わる対話
- 応募者を尊重する姿勢
面接体験が良い企業は、内定承諾率が高い傾向があります。
採用と組織開発をつなげる
採用は“人を集める活動”ではなく、
組織の未来をつくる活動です。
- 求める人物像の再定義
- 組織課題の可視化
- 入社後のオンボーディング
- 社員の成長支援
採用と組織開発がつながると、企業は強くなります。
おしまい
採用は、単なる人集めではありません。
企業の未来をつくる、最もクリエイティブで戦略的な活動です。
- どんな人と働きたいのか
- どんな未来を描きたいのか
- どんな文化を育てたいのか
これらを言語化し、発信し、共感してくれる人と出会う。
その積み重ねが、企業の成長を支えます。
年末は、採用を“戦略”として再設計する絶好のタイミングです。
2026年の採用が、より豊かで、より企業らしいものになることを願っています。


